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活動報告

「こもごもサロン vol.10
~自転車×交通~:みんなでラジオ「あなたの自転車の思い出は?」
2024年12月15日 (日) 14:00 - 16:30

ハイブリッド開催@SHINAGAWA1930 (東京・品川)

多くの人にとって馴染み深い乗り物である自転車。昨今は特に欧州において、自動車に代わる環境に優しい交通手段として注目されています。一方で、特にモータリゼーションが進む地方部では利用が減少し、その魅力に気づかれにくい状況も見られます。

今回のこもごもサロンでは、参加者の皆さま1人1人が持つ自転車の思い出や体験をシェアしながら、自転車の魅力や楽しさ、そしてモビリティという観点からの役割や社会的意義について、ゲストスピーカーのお二人が楽しいラジオ形式で話を広げてくださいました。

【ゲストスピーカー】
宮田 浩介さま(文筆家・翻訳家):
市街と郊外の境界域にあたる武蔵野エリアで育ち、通学に使う自転車の上から、後にモーターサイクルの上から、まちや風土を眺めてあれこれ考えてきました。文学系の大学院生として暮らしたニューヨークがもう一つのふるさとです。交通関係では内外の自転車政策のリサーチと情報発信を行っています。『世界に学ぶ自転車都市のつくりかた』(学芸出版社 2023年)編著者。

玉井 夕海さま(ミュージシャン・俳優/ウタウタイ):
東京生まれ。大学在学中に、宮崎駿主催アニメーション演出家養成講座を終了。この縁により、映画『千と千尋の神隠し』リン役に抜擢。演劇作品や映画に女優として活動。音楽と旅のプロジェクト『White Elephant』は細く長く継続中。2023年4月から2年間、Tokyofm『サステナ*デイズ』パーソナリティ。ヴォーカルを務める『渋さ知らズ』35周年記念・第一弾音源『渋吼』発売中。出演・音楽で参加の映画『満月、世界』は渋谷ユーロスペース、下北沢K2など各地で上映中。諸般の事情により現在父、妹の自転車を借用中。

当日の様子(Youtube動画)


ディスカッションポイント

交通における視点のズレと自転車の捉え方

・「乗る側」(ユーザー)と「乗せる側」(交通事業者)、「つくる側」(交通計画)には視点のズレがある。
・特に「つくる側」は「輸送する」という視点から考えがちで、人を効率的に輸送する手段としてだけで交通を捉えてしまいがち。
・どの視点から自転車を考えるのかを問い直すことが重要なのでは?

自転車にまつわるストーリーから考える自転車の魅力

・子供の視点:自転車で自由にどこでも行けるような感覚(世界の拡張を象徴する乗り物)
・自転車の視点から見る「まち」の風景:日常の寄り道、まちと人との近さ、思い出とともにある自転車
・自転車を選べるまちの重要性:いつも移動の選択肢の1つとして自転車とともにある「まち」は豊かなのでは?

交通における当事者意識の欠如がもたらす問題

・自転車にまつわる危険なエピソードから考える視点の違い(歩いている人と自転車に乗る人、ジェンダーと交通)
・特に「つくる側」の立場は、まちにはいろいろな人がいるという意識(当事者性)が薄くなりがち。
 例1:クルマを前提に設計されたルールを多様な人に守らせる道路交通法
 例2:「そこに居ない人が創ったシステム」としての信号機
・他の人たちが、自分と同じような人たちであると想定しないことが大切な視点。まずは、家族等、自分が大切にしている人の立場から考えるのはどうか?

日本の交通教育の課題

・日本では、生身の人と自動車との衝突を再現するスケアードストレート(Scared Straight)というショーが教育の一環としてよく実施されているが、この方法は効果が実証されていないのみならず、むしろトラウマを植え付けることで自転車があたかも「弱いもの」「怖いもの」として認識させてしまう可能性がある。
・デンマークでは、鬼ごっこ形式の自転車乗車トレーニングを通じて、自転車が「楽しいもの」として認識される教育プログラムが行われている。これにより、自転車が日常的な交通手段の選択肢となるよう促進している。
・日本でも、トラウマを植え付ける教育から、モビリティ・マネジメント教育のように安全で自発的な自転車の利用を促す教育への転換が必要では?

自転車ユーザー視点のインフラ整備

・ユーザーの視点:自転車ユーザーの視点からインフラ環境のデザインからできることを考える。
・徒歩の延長としての自転車:「歩くのと同じ、少し早いだけ」の自転車、まちで自分にぴったりな居場所を探すことができることの価値を提供してくれる。
・社会的価値の再発見: ヨーロッパでは自転車の並走が可能。友人等とコミュニケーションしながら移動できることの価値
・ジェンダーと交通:子育てやケア労働の移動ニーズ、インフラ側からそのニーズに応えることが重要では?

「強くなくて良い」交通

・市民運動からの学び:オランダで起こった1970年代の「子供を殺すな運動(Stop de Kindermoord)」は、子供たちをクルマから守り、子供が安全に暮らせる社会を目指した。子供が死んでしまうような世界はあってはならないという思いが、今の自転車大国のオランダにつながっている。
 ・インフラのリ・デザイン:自転車を便利にするだけでは、自転車が選ばれる度合いはあまり上がらない。クルマと空間を分離するとともに、道のネットワーク・デザインによって無駄なクルマの利用を減らし、究極的には信号機が不要な街路を目指すことはできないか?ユーザーの視点からインフラ・デザインを見直すことが必要。
・政治的リーダーシップの重要性:交通は「当事者性」が曖昧になりがち(自分事ではなくなってしまう)だからこそ、いろいろな人の思いを束ねる強いリーダーシップが重要。
・移動する主体の幸福と尊厳:自転車や交通インフラを議論するにあたり、つい「効率的に輸送する」という神のような視点だけで考えがちだが、それだけではなく、1人の人間として「どのように暮らしたいか」「何が心地よいか」「幸せを感じられるか」といった自分自身の気持ちを思い出し、その思いを大切にしてもらいたい。

当日の流れ

14:00-14:10 : 受付 (会場@SHINAGAWA1930)
14:10-14:20 : 挨拶・流れの説明
14:20-14:30 : 参加者の自己紹介
14:30-14:40 : ライトニングトーク(COMO×GOMO 運営メンバー 内海 健)
14:40-16:20 : インスピレーショントーク「自転車×交通:みんなでラジオ「あなたの自転車の思い出は?」
+ ディスカッション(ゲストスピーカー 宮田 浩介さま/玉井 夕海さま)
16:20-16:30 : お知らせ
16:30-17:30 : 交流会@SHINAGAWA1930(オンサイトのみ)
17:30~:こもごもサロン第10回記念イベント
~COMO×GOMOの「これまで」と「これから」~ @SHINAGAWA1930(オンサイトのみ)